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ファラオに会うモーセとアロン

その後、モーセとアロンはファラオに会いに行きました。「私どもはイスラエルの神、主のお告げを持ってまいりました。『わたしの民を行かせよ。荒野で聖なる祝宴を張り、わたしを礼拝させるためだ』とのことです。」

「ふむ、そうか。だが、どうしてこの私が、その主とやらの言うことを聞いて、イスラエル人たちを行かせなければならないのだ。主とはいったい何者だ。聞いたこともない。いちいち、そんなお告げなどに取り合ってはいられない。イスラエル人たちは絶対に行かせない。」王はきげんをそこねたようです。

しかし、アロンとモーセも引き下がりません。「ヘブル人の神様が私どもに現れたのです。私どもは荒野を三日行った所で、主にいけにえをささげなければなりません。もし神様に従わなければ、病気で死ぬか、さもなければ剣で殺されるかです。」

4-5 「ええい、いいかげんにしないか! おまえたちは自分をだれだと思っているのだ。イスラエル人にはそれでなくても仕事が山ほどある。その仕事を放り出させるつもりか。おまえたちも余計なことに口出ししないで、仕事に戻れ!」王は激高して言いました。

その日、王は腹立ちまぎれに、イスラエル人を使う監督と配下の人夫がしらに命令を出しました。 7-8 「以後れんが作り用のわら(れんがに混ぜていた)を彼らに与えてはならない。自分で取りに行かせるのだ。しかも、生産割り当ては一個たりとも減らすな。荒野へ行って自分たちの神にいけにえをささげたいなどとぬかすのは、暇を持て余しているからだ。 どんどん仕事をさせて、へとへとになるまでこき使え。モーセやアロンのうそっぱちな話を聞いていると、どんな目に会うか、思い知らせてやるのだ。」

10-11 監督と人夫がしらは、さっそくそれを全員に伝えました。「王様の命令によって、これからはわらを渡さないことになった。自分で探せ。ただし、れんがは前と同じだけ作るのだぞ。」 12 そこで、イスラエル人たちはあちこちに出かけて行って、必死でわらを集めました。

13 それでも監督は容赦しません。「一日分の仕事は前と同じにちゃんとやれ。言いわけは許さん!」ときびしく要求し、 14 イスラエル人の人夫がしらたちを打ちたたきました。「昨日の割り当て分を作らなかったな。今日も数が足りないぞ、怠け者めが。命令どおりに働け。」

15 人夫がしらたちは思い余って、ファラオのところへ嘆願に行きました。「王様、お願いでございます。こんなひどいやり方は、もうやめさせてください。 16 わら一本もらわず、前と同じ数のれんがを作るのはむりです。私たちが悪いわけでもないのに、しょっちゅうむち打たれるのはかないません。こんな理屈に合わない仕事をさせる監督が悪いのです。」

17 しかし、ファラオは相手にしません。「いいや、おまえたちは暇すぎるのだ。そうでなければ、『主にいけにえをささげに行かせてほしい』などとぬかすはずがない。 18 さあ、さっさと仕事に戻れ。わらは一本も渡さないぞ。れんがの割り当ても減らさない。今までどおり、きちんと持って来い。」

19 もう、どうにもなりません。人夫がしらたちは頭をかかえ込みました。 20 途方にくれて外に出ると、モーセとアロンが待っていました。彼らは二人の姿を見ると、 21 無性に腹が立ち、思いっきりののしりました。「ファラオやエジプト人からこんなひどい仕打ちを受けることになったのも、元はと言えばおまえたちのせいだ。まるで、われわれを殺させるための口実を与えたようなものだ。二人とも主のさばきを受けるがいい。」

22 モーセも気持ちが収まりません。主のもとに戻って抗議しました。「主よ、どうしてご自分の民なのに、こんなひどい取り扱いをなさるのですか。私が来たのは、いったい何のためでしょう。 23 あなたの命令をファラオに伝えてからというもの、事態はよくなるどころか、ますます悪くなるばかりです。それなのにあなたは、いっこうに救いの手を差し伸べてくださらないではありませんか。」